マルコの福音書 13:1ー13
礼拝メッセージ 2015.3.8 日曜礼拝 牧師:船橋 誠
1,この世界は (終末)に向かっていることを心に留めましょう
①壮麗なエルサレム神殿も破壊されてしまいました
これから世界はどうなっていくのでしょうか。今は、誰もが未来への不安を感じつつ生きている時代のような気がします。世界中の多くの人たちが未来について知るために、聖書の言葉にその答えを求めて来ました。このマルコ13章は「小黙示録」とも呼ばれ、イエスがオリーブ山で語られた終末講話です。 当時、ヘロデ大王が修築したエルサレムの神殿は壮麗でたいへん立派な建物でした。感嘆している弟子たちに、イエスは意外にも「石がくずされずに積まれたまま残されることは決してありません」と言われました。イエスのお言葉どおり、その後、紀元70年にこの神殿はローマ軍によって完全に破壊されてしまいました。
②どんなに頑丈な建物でも、堅固な町でも、それが永遠に保たれることはありません
イエスがここで教えられたのは、どんなに頑丈で立派な建物でも、堅固な町であっても、かたちある世界が永久に存続できるわけではなく、いつか壊れ、失くなってしまうという真理です。聖書も、そして歴史も、それを明らかにしていますが、この世界も今あるあり方のままで永遠に続くのではありません。「この天地は滅び」(31節)るのです。
③この世界は終末に向かって進んでいます
私たちのこの世界は確実に終わりに向かって進んでいるのです。私たちは終末の時代を生きているのです。
2,この世界の未来を神は (予知)しておられることを心に留めましょう
①患難へと向かうこの世界
「それがみな実現するようなときには、どんな前兆(直訳「しるし」)があるのでしょう」(4節)と弟子たちは質問しましたが、未来に何が起こるのか、その前兆は、というと、イエスは苦難が待ち受けていることを明らかにされました。
②神の予知の中で、必ず起こることは、偽キリストの出現、戦争、地震、飢饉、迫害です
イエスはここで最初に5つのことが「必ず起こる」(7節)と言われました。それは、偽キリストの出現、戦争、地震、飢饉、迫害です。当時の弟子たちにとって、それは全く予想外の内容ではなかったでしょう。彼らは迫り来る危機をひしひしと肌で感じていたのです。そして現代の私たちも同じです。ここで私たちが覚えておかなくてはならないことは、それらすべてを神はすでに知っておられるということです。私たちには想定外のことがありますが、神にはすべて想定内のことであるのです。
3,この世界が終末に向かっている中で最も大切なことは、信仰による (忍耐)を持つことです
①この世界が終末に向かう中で、必ず成し遂げられることは、福音があらゆる民族に宣べ伝えられることです
イエスが必ず起こると言われたことは災厄だけではありません。「こうして、福音がまずあらゆる民族に宣べ伝えられなければなりません」(10節)と断言されたのです。7節の「必ず起こることです」と訳された「必ず〜しなければならない」(ギリシャ語:デイ)と同じ言葉が、この10節でも使われ、同じように必然的にそうなることとして語られています。日本にいると福音宣教は停滞しているように感じているかもしれませんが、歴史の定められた方向は、福音は間違いなく拡大し続け、誰もそれを止めることはできないということです。
②私たちは「惑わされず」「恐れず」「語り続けましょう」
そういう世界の先行きを覚えつつ、私たちは、惑わされず、恐れず、語り続けていきましょう。信仰による忍耐こそが、終末を生き抜くために求められていることなのです。「最後まで耐え忍ぶ人は救われます。」(13節)。「あなたが、わたしの忍耐について言ったことばを守ったから、わたしも、地上に住む者たちを試みるために、全世界に来ようとしている試練の時には、あなたを守ろう。」(ヨハネの黙示録3:10)