「宇宙の星々のように輝く」

ピリピ人への手紙 2:12ー18

礼拝メッセージ 2015.10.18 日曜礼拝 牧師:船橋 誠


1,自分の救いの達成          (達成)に努めなさい

 「いのちのことばをしっかり握って、彼らの間で世の光として輝くためです」(15節)の言葉は、他の翻訳では「あなたがたはその世代のうちにあって、宇宙の星々のように輝いている」(岩波書店訳)となっていました。ちょっとロマンチックな表現にも思える聖書の言葉です。パウロの時代には、現代よりも夜空にたくさんの星々が見えていたことでしょう。旧約時代、神はアブラハムに夜空を見上げるように語り、満天の星々を数えなさいと言われました。その星々は、これから祝福されて増えていく、あなたの子孫のようだと言われたのです(創世記15:5)。それは神に愛され、神に信頼を置くようになる、後の時代の多くの人々を予見するものでした。私たちも、この暗闇の時代にあって、輝く星のような存在となることを、今日の聖書箇所は教えています。
 では、どうすれば輝く星のようになれるのでしょうか。聖書は語ります。本当に輝いている人は、自らが光源となって光を発するのではなく、神のご栄光に照らされ、いのちの光であるイエス・キリストの方に向くことにより、それに反射して輝くことができるのです。「私たちはみな、顔のおおいを取りのけられて、鏡のように主の栄光を反映させながら、栄光から栄光へと、主と同じかたちに姿を変えられて行くのです」(Ⅱコリント3:18)とあるとおりです。その文脈の流れで見ると「自分の救いの達成に努めなさい」(12節)とは、神への畏怖の思いを抱きつつ、続く13節にあるように、神が私たちのうちに働かれやすいようにへりくだって、信仰の従順に進むことなのです。


2,すべてのことを              (つぶやかず)、疑わずに行いなさい

 私たちの輝きを鈍らせ、暗くしてしまう振る舞いは「つぶやき」と「疑い」(あるいは言い争い)です。エジプト脱出の際、神の民イスラエルにとって、神の御怒りを招いたのが、この不平、不満、不信仰でした。その根本原因は、神への信頼の欠如でした。信仰をもって、つぶやきと疑いに勝ちましょう。
 16〜18節に記されているのは、逆境の中にあったパウロの心の思いです。彼の目は、「キリストの日」と彼が呼んでいる終末に起こる素晴らしい神の祝福の時に注がれていました。また、ピリピ教会の信仰の仲間たちに対する自らを捧げる愛に燃えていたのでした。17〜18節に4回「喜ぶ」と語って、死さえも超えた確かな希望が存在することを明らかにしているのです。